「締めはなにがありますか?」
「うちは茶漬けです。生海苔茶漬けと、茎わかめの煮干しと生海苔の磯浜茶漬けになります」。
茎わかめの煮干し?
それは聞きずてならない。
「では、磯浜茶漬けをお願いします」。
.磯浜茶漬けが運ばれた。
濃緑のめかぶと、海女さんの手摘みだという鮮やかな緑色をした生海苔が、白いご飯に映えている。
めかぶだけをまず食べた。
おお。煮干しは、より粘りを増し、味がぐんと濃くなっているではないか。
歯にがっしりと食い込み、昆布の昆布たるうま味を広げてくる。
このうま味に、生海苔の溌剌とした香りが加わるのだからたまらない。
一気呵成、瞬く間にかきこんでしまった。
「煮干しってどうやって作るですか?」
「さっと茹でて、天日で干すんです。すると味が濃くなるんです」。
いかにも海の男という快活な声で、本職が漁師という店主が答えてくれた。
写真最後は生海苔茶漬け。これまたうまい。